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業務用食器洗浄機で使用される洗剤は、「中性」「弱アルカリ」「強アルカリ」に大別されそれぞれにメリットとデメリットがあります。
中性タイプは素材に優しくプラスチック、アルミ、塗装面などの痛みが少ない。
皮膚への刺激が少なく取り扱いが簡単、環境負荷が低く排水処理に配慮した製品が多い。
デメリットは、洗浄力が低く、除菌・殺菌を重視する現場には不向き。
弱アルカリタイプは中性タイプに比較し油脂分の分解力が高く素材への影響が少ない
デメリットはアルミ・銅製品に使用すると変色腐食の恐れあり(別途対応する製品有り)
強アルカリタイプは焦げ付き、タンパク質、油脂などの頑固な汚れに非常に効果的。
除菌力が高く衛生管理が必要な現場(飲食店・給食施設)で有効。
デメリットは、アルミ・銅・銀・プラスチックなどの素材を傷める可能性が高い(それぞれ対応製品有り)。
皮膚への刺激が強く、安全のため 取り扱い時には手袋やゴーグルが必要な場合もある。


コスト削減になる可能性
タンク湯をこまめに交換することで、汚れや油脂が蓄積されず、1回の洗浄で十分に汚れが落ちやすくなる。
→ 再洗いの手間、水、洗剤、電力の無駄が減る。
汚れた湯を使い続けると機械内部にスケールや油脂が蓄積しやすい。
→ 故障やメンテナンスコストを低減できる可能性。
コスト増になる要因
タンク湯を頻繁に入れ替えることで、水とエネルギーの消費が増える。
新しい水に入れ替えるたびに洗剤も新たに追加する必要がある。
→ 洗剤の使用量が増加
一律に交換頻度を上げるのではなく、昼ピーク後など時間帯や使用量に応じた設定が必要。


前洗いなしで洗浄できる代表的な汚れ
ご飯粒・パンくず(乾いていない場合)熱とアルカリで分解しやすい。
みそ汁・スープの残り(液体汚れ)比較的簡単に除去可能。
油汚れ/揚げ物の皿(軽度から中程度の汚れ)高温&アルカリが有効。
カレー・シチュー(半乾き~湿った状態)固着が進むと前洗いが必要。
卵・乳製品(新しい汚れ)焦げたり乾くと落ちにくい。
ソース・ケチャップ(多量でない場合)乾くとこびりつく場合がある。
野菜くず・小さな残渣(少量の場合)食器洗浄機のフィルターが詰まりやすいので注意。


業務用食器洗浄機で包丁を洗うことは以下の理由により基本的には推奨されていません。
包丁が洗浄中に他の食器やラックにぶつかると刃こぼれや刃が丸くなる恐れがあります。
高温、高圧の洗浄により鋼材の性質が変わる可能性があります。(特に和包丁などの炭素鋼)
包丁がラックの隙間から飛び出したり、倒れたりして、洗浄機の内部を傷つけたり、他の食器を破損することが有ります。
洗浄後の取り出し時に手を切るリスクが高まります。
どうしても洗いたい場合の対策
包丁専用のラック(刃を固定するタイプ)を使用する。
プラスチック製の保護カバーを刃につけた上で、洗浄機に入れる
ステンレス製の業務用包丁で、洗浄機対応と明記されているもののみ使用する。
原則として、包丁は手洗いが最も安全で適切です。
特に高価な包丁や和包丁は必ず手洗いし、乾いた布で拭き取りましょう。


通常の食器用洗剤(家庭用)は中性~弱アルカリ性で泡立ちがありますが、業務用洗浄機用洗剤は高温、高圧、短時間で洗浄するため、泡立ちを抑えた高アルカリ性洗剤です。
家庭用洗剤などを使うと泡が立ちすぎて、機械が故障したり、洗浄不足になったりする危険があります。
洗剤のpH、濃度、洗浄力、すすぎ性などは、洗浄機の動作と合わせて最適化されています。
専用洗剤以外を使用すると機械の寿命を縮めたり、衛生面に問題が出たりする可能性があります。
「純正洗剤は高いから安いもので代用したい」という場合でも互換性のある業務用食器洗浄機用洗剤を使用してください。